今年から始まりましたデザイン紹介コーナー。2つ目はこちら。
お正月もすっかり明けてしまいましたが、こちらはアトリエの年賀状用に仕上げたプリントパターンです。
森や山のモチーフに三日月を組み合わせ、全体を刺繍のような細かな点描で表現した絵柄です。
制作アイテムの中には、よく山や森の動物が登場します(「anyan design atelier」のロゴの中にも入っていますね)。
動物はシカ、クマ、キツネ、タヌキと、日本の里山でもお馴染みの動物達。
山も近い田舎にあるアトリエでも、やはり馴染みのある動物達です。
と言っても、(タヌキはたまに姿を見ますが)よく見かけるような動物ではなく、夕方や夜になるとどこからか鳴き声が聞こえたりと、実際に目で見るというよりは「気配を感じる」いきもの達という感じです。
目に見えないのに気配だけ感じられる存在は、ミステリアスでもあり、いろいろな想像を掻き立ててくれる存在でもあります。
そういえば、民話や昔話など様々な物語にも里山の動物達は多く登場しますが、付かず離れずで、木立の中、山の中、闇や月明かりの中に見え隠れする動物達は、やはり人の心の中に潜んだ様々な想像力を引き出してくれる存在なのかもしれません。
さて、絵柄に戻りますと、今回は刺繍のような粗く細かな点描で表現しています。
使用色は少しくすみの入ったRGB3色。
はっきりした色や輪郭を使用していないのは「気配」を表現するためでもあり、それは想像力を引き出すための余白のようなものでもあります。
この「気配」を取り入れたデザインを年始のカードとして使用しているのは、このアトリエに潜んでいる(であろう)想像力を控えめに示すためでもありました。
結果的に、この絵柄の素朴な印象は、どこか遠くの小さな国の民芸文様のようにも見え、良い意味で時代性の無い仕上がりに出来ているのではないかなと思います。
今回は、細かなラメのまぶされた紙(写真ではわかりませんが)にプリントを施していますが、壁紙や布地に展開をしても面白そうなパターンですね。
それでは、今回はこの辺りで。
-------------------------------
>> anyan web-site top